第ニ章 ~初仕事~

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「残り半分…家族に手を出すなら、容赦しっ!?」 今までで、一番強く感じた恐怖。 大木に隠れる様に逃げ込んだ虚識。 その数秒後、虚識が居た地点が爆発した。 「なっ!?ライフル弾だけじゃ無かったのか?」 大木のおかげで、怪我をする事は無かったが進むのは難しくなった。 「…あれじゃあ、紙一重で避けても爆発に巻き込まれますねぇ」 こんな状況でもあくまでマイペース。 対して焦る事も無い。 最低でも、軋識が先に着いて決着をつけてくれればいいのだから。 「…いや、さっき助けてもらっちゃったからなぁ…今回は、頑張ろうかな」 そう言って、ジュラルミンケースから拳銃を4丁を腰のホルスターに移す。 そして、あるものを組み立てる。 「…あんまり、無茶はしたく無いんだけどなぁ」 そう言いながら完成したのは、ライフル。 「…何となく、気配は分かる」 殺意の塊がある場所くらい分かる。 そこに向かうまで、あの炸裂弾をどうにかしないとイケない。 「確率は低い…でも、やるんだ」 軋識が、もしも最上階で待っていたなら。 虚識はここで待機し、軋識が決着をつけるのを望んだ。 だけど、軋識に仕事上で手間を掛けさせてしまったと考えた虚識。 故に、ここで行動に出るのだ。 一つの気まぐれが、虚識を変えたのだ。 「ふふふ…さて、家族の為に働きますかね」 そうして、珍しくも、自ら戦中に赴くのだ。
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