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「残り半分…家族に手を出すなら、容赦しっ!?」
今までで、一番強く感じた恐怖。
大木に隠れる様に逃げ込んだ虚識。
その数秒後、虚識が居た地点が爆発した。
「なっ!?ライフル弾だけじゃ無かったのか?」
大木のおかげで、怪我をする事は無かったが進むのは難しくなった。
「…あれじゃあ、紙一重で避けても爆発に巻き込まれますねぇ」
こんな状況でもあくまでマイペース。
対して焦る事も無い。
最低でも、軋識が先に着いて決着をつけてくれればいいのだから。
「…いや、さっき助けてもらっちゃったからなぁ…今回は、頑張ろうかな」
そう言って、ジュラルミンケースから拳銃を4丁を腰のホルスターに移す。
そして、あるものを組み立てる。
「…あんまり、無茶はしたく無いんだけどなぁ」
そう言いながら完成したのは、ライフル。
「…何となく、気配は分かる」
殺意の塊がある場所くらい分かる。
そこに向かうまで、あの炸裂弾をどうにかしないとイケない。
「確率は低い…でも、やるんだ」
軋識が、もしも最上階で待っていたなら。
虚識はここで待機し、軋識が決着をつけるのを望んだ。
だけど、軋識に仕事上で手間を掛けさせてしまったと考えた虚識。
故に、ここで行動に出るのだ。
一つの気まぐれが、虚識を変えたのだ。
「ふふふ…さて、家族の為に働きますかね」
そうして、珍しくも、自ら戦中に赴くのだ。
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