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「………くる!」
殺気を感じ取り、ライフルを構える。
・・・・・・・
そして飛んできた弾を撃った。
虚識の数十メートル先で爆発は起こった。
その爆煙の中を進み、目的地への距離を詰めていく。
「…意外と、出来るもんですねぇ」
大木に隠れて一息つく。
あの一回は、尋常じゃなく精神を擦り減らす。
タイミング、狙いが少しでも擦れれば虚識には死が待っている。
そんな中となれば、虚識でも多少なり緊張するのだ。
「…手が震える、か」
やれやれ…この調子だと、後3回くらいが限度かな。
まぁ…十分、だな。
弾を詰め替えたライフルを構え、もう一度道路に出る。
こちらに気を引きつけておけば、軋識の方も楽になる。
それは、虚識の最高のモチベーションになる。
「…本当に鬼だな」
「人の所業ではないな」
流石に、弾を撃ち落とされた経験の無い二人は動揺していた。
しかし、また武器を変えながら話を続ける。
「ならばこれで」
「そろそろ終わらせよう」
虚識は、残り500メートルまで来ていた。
これならば…最早、ライフルにこだわらなくても良い。
「俺が距離を見る」
「俺が起動させる」
「地獄を作ろう」
「地獄に帰そう、あの鬼を」
第二の地獄が始まった。
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