第ニ章 ~初仕事~

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「腕をとったか」 「さて、どうでる?」 初撃を命中させ、自信に満ちた二人。 一瞬たりとも目を離さず、次の攻撃へ備えている。 「残りの対人地雷は50」 「無傷とはいくまい」 「ここでけりをつけ」 「零崎軋識を狩……る?」 その時、片割れが見た映像は決して信じられない物だった。 ・・・・・・・・・・ いくつかの対人地雷が爆発したのだ。 「焦ったか?」 「いや…俺は押してない」 「ならばいったい」 「………あれが、答えか」 「ふふふ…悪く無いですねぇ」 右腕に構えた拳銃は、連続して火を噴く。 そして、その度に虚識の前方で爆発が起こる。 虚識は、隠れた対人地雷を撃ち抜き、爆発させているのだ。 「ふふふ…タイミングを計っていれば殺意も変わる」 そんな状態なら…隠れた地雷に、地雷としての意味は無い。 俺には…ある場所が分かってしまう。 本能的に、殺意を感じ取る俺達には分かるんだよ。 「…最早、意味は無いな」 手に持っていたスイッチを捨て、呟く。 「最早、地雷にあらず」 虚識から視線を外し、呟く。 「ならば備えよう」 「ここで迎え撃とう」 二人がいるのは廃墟の5階。 二人は覚悟を決め、決戦の準備を始めた。
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