第ニ章 ~初仕事~

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外から見た所、五フロアプラス屋上。 狙撃手の居場所は…恐らくは、屋上か五階。 「まっ、簡単には行かせてくれませんよね」 建物に入って直ぐに、ワイヤートラップが待ち受けていた。 所々に掛けられた手榴弾…一つでも落とせば、上の階に通じる階段は使えなくされてしまう。 神経を使うが…避けられない事は無い。 ただし。 「アンタが居なければ、なんだけどね」 目の前、ワイヤートラップの中心部には、一切ワイヤーの無い半径5メートル程の円形スペースがある。 そこに立つ、のっぺりとした面を着けた男。 間違いなく…敵だろう。 それにしても…うん? 「あんた…そこに居るのかい?」 目の前に間違いなく居る、しかし…気配を感じない。 まるで「お前も、変わらないだろうが」 そう、俺のようだと思う。 「確かに、ね」 「来い、此処で闘おう」 そう言って、手招きをする敵。 何も付き合う必要は無いのだが…道を塞がれるのは面倒だ。 「構わないけど…先ずは名乗って欲しいですねぇ」 ゆっくりとワイヤーを避けながら、中心へ向かう。 「八咫烏 暗殺部隊 3影が一人 陰 イン」 「零崎一賊の零崎 虚識です、よろしく」 そう言いながら、円形のスペースに入り込む。 「暗殺部隊が真っ向から闘うんですか?」 「一フロアに一人、貴様は闘い続けなければならない」 なるほど…時間稼ぎ、か。 ついでに、消耗させられるって訳か…やだねぇ。
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