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外から見た所、五フロアプラス屋上。
狙撃手の居場所は…恐らくは、屋上か五階。
「まっ、簡単には行かせてくれませんよね」
建物に入って直ぐに、ワイヤートラップが待ち受けていた。
所々に掛けられた手榴弾…一つでも落とせば、上の階に通じる階段は使えなくされてしまう。
神経を使うが…避けられない事は無い。
ただし。
「アンタが居なければ、なんだけどね」
目の前、ワイヤートラップの中心部には、一切ワイヤーの無い半径5メートル程の円形スペースがある。
そこに立つ、のっぺりとした面を着けた男。
間違いなく…敵だろう。
それにしても…うん?
「あんた…そこに居るのかい?」
目の前に間違いなく居る、しかし…気配を感じない。
まるで「お前も、変わらないだろうが」
そう、俺のようだと思う。
「確かに、ね」
「来い、此処で闘おう」
そう言って、手招きをする敵。
何も付き合う必要は無いのだが…道を塞がれるのは面倒だ。
「構わないけど…先ずは名乗って欲しいですねぇ」
ゆっくりとワイヤーを避けながら、中心へ向かう。
「八咫烏 暗殺部隊 3影が一人 陰 イン」
「零崎一賊の零崎 虚識です、よろしく」
そう言いながら、円形のスペースに入り込む。
「暗殺部隊が真っ向から闘うんですか?」
「一フロアに一人、貴様は闘い続けなければならない」
なるほど…時間稼ぎ、か。
ついでに、消耗させられるって訳か…やだねぇ。
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