第ニ章 ~初仕事~

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「もう、聞こえてないんだろうけどさ」 陰の死体の周りを歩きながら話かける。 「俺は、真っ向勝負よりも策略とか立てる方が好きだけどね」 拳銃を腰のホルスターに仕舞い、ワイヤーをすり抜ける。 ふむ…これは、一回しか通用しないからなぁ。 服に穴が空けば、バレてしまう。 「今回は上手くいったけど…残り二人か」 こんな不意打ちは二度とは上手くいかないし。 ふむ…まぁ、どうにかなるか。 「さて…どうしたものですかね?」 一つ階を上がると、次は真っ暗な部屋が待っていた。 「今度の方が暗殺向きですかね」 全く…これは、困った。 これでは、こっちが闇討ちされかねない。 暗殺部隊相手では…部が悪い。 「でも…進むしかないですねぇ」 両手にナイフを構えて、ゆっくりと部屋に入っていった。 「自ら死地に赴くか」 「…生憎と、目的地はまだ先なんでね」 「安心しろ、ここで終わる」 暗闇の中で響く声。 先程の奴もそうだったが…どうしても、気配を感じ取れない。 まぁ、何人も出来るならこれは技術なんだろうな。 それなら…観察の時間だ。 「下の仲間は大した事なかったけど…あんたは?」 「あんなのと一緒にするな、あいつはただのバトルマニアだ」 確かに…あいつは、暗殺者では無かったな。
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