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気づいてみると人が一人も居ない。
夏休みの駅…もっと、出かける人々で溢れかえっていてもいいのに。
周りは、赤一色で死体で溢れていた。
「…はぁん、なんつうか…まぁ…」
意外と変わらないなぁ…生きてても、死んでても。
やっぱり、元に興味がないからかなぁ…やれやれ、もしかしたらこの中に興味を引く様な奴が…奴…が?
ふと気付くと、周りの血の海中に針金細工の様なシルエットが見える。
逆光で見えないが…なんだろう?
ふむ…うん?
俺は…アイツが気になってる?
「やれやれ…知り合いと会っていただけなのにまさか家族を見つけるとはね」
家族…この死体の山に見つけたのかな?
でも…とりあえず、アイツの声を聴いているってことは気になってるってことだよな。
「つうか…あぁ…警察とか呼ぶか」
「止めておきなさい、死体の山を増やしても仕方ないだろう」
「えっ…俺、ですか?」
気付くと、針金細工は俺の方に近付いて来ていた。
「いや…まぁ、確かにこんな事した奴は危なそうですけど…」
「うん?まだ状況が飲み込めてないみたいだね」
「はぁ…状況、ですか?」
うん…周りには死体の山。
それで、今 目の前に現れた針金細工みたいな奴。
生きてるのは…二人。
あれ…じゃあ、もしかして…。
「これやったの、俺?」
「ふむ…なんだ、この手際の良さからして毎日の様に殺人をしてるとおもったんだがね」
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