第ニ章 ~初仕事~

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「さて………どうしたものでしょうか?」 疲労困憊でたどり着いたもう一つ上の階。 あと一歩で、屋上に辿り着けるのに…。 「やれやれ…困りましたね」 先程とは違う…気配は感じるのだが、姿を認識出来ない。 誰かに見られている様な…そんな感覚。 「…厄介、ですねぇ」 先程とは違う、明るい部屋。 人が居れば分かるはずなのに…見えない、認識出来ない。 「…進む、しかありませんよね」 ゆっくりと部屋の中に進む。 その瞬間、刺すような殺気が虚識を襲った。 「!?」 バックステップで部屋から飛び出る虚識。 しかし、部屋には誰も居ない。 居たとしても…認識出来てない。 「…どうしましょうか、ねえ?」 武器をホルスターに収め、ゆっくりと目を閉じる。 「……………」 自分の感覚を限界まで研ぎ澄ます。 自分に向けられる、僅かな意識に敏感になる。 「どこだ…どこに居る?」 少しづつ広がる探索範囲、部屋の隅々まで行き渡った。 「…居ない!?」 馬鹿な…間違いなく、自分に向けられた殺意だった。 それが…部屋には、誰も居ないという事実によって怪しくなった。
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