第ニ章 ~初仕事~

35/35
前へ
/39ページ
次へ
「零崎一賊が一人、零崎虚識です」 「貴様の名前などどうでもいい、零崎」 「取り引きに応じるのか否かだ、零崎」 ライフルに手をかける事もなく、二人は続ける。 それが、二人の余裕を伺わせる。 「名前は大切なんですがねぇ…取り引きとは?」 「簡単な話しだ、零崎」 「零崎軋識を殺せ、そして仲間になれ、零崎」 「断る、ふざけるな貴様等」 ナイフの切っ先を二人に向け、低く、明らかに怒った声で告げる虚識。 「家族を殺す訳ないだろうが、馬鹿か?」 「馬鹿は貴様だ、零崎」 「今のお前が、俺達を倒せると思っているのか、零崎?」 それでもライフルに手を掛けない二人。 虚識は、刃物を下げずに続ける。 「確かに…もう身体はボロボロ、精神はズタズタ、武器も消費が激しい」 「俺達も仲間を失い過ぎた、利害は一致するだろう、零崎」 「仲間になればお前は死なないぞ、零崎」 ハァ、とため息をつく虚識。 呆れたような口調で呟く。 「いや…俺は、あなた達を殺しますよ」 「…聞いてなかったのか、零崎?」 「お前に、俺達は殺せないぞ、零崎」 「殺せるとか、そんなのどうでもいいんですよ…」 髪を書き上げ、真っ直ぐと二人を見ながら続ける。 「俺達は、殺人鬼だ。殺すものは、殺すんだよ!理由なんかいらない」 左角と右角は、ライフルを持った。 「そうか…殺人鬼のファミリー、零崎一賊か」 「なら仕方ない、生かしておく理由も、無い」 『殺すぞ、零崎』 「零崎を始めましょう!左角、右角!」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加