檻の中の人魚

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この女の勝気な部分が嫌い。 私を人魚の姫と呼ぶ所も。 …私は、好きでこの姿になったわけでは無いのに。 「…行こう」 女の掌から大きな黒い布が出てくる。 私は知ってる。この後どうなるのか。 そしてそれはきっと、今とあまり変わらないという事を。 自由にはなれないという事を。 「おやすみ…」 霞む視界の中、最後に見た彼女は。 今まで見た事もないような悲しい目で、笑っていた。
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