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広美と、一代は教室へと急いだ。
石川先生は化学の先生だ。5時間目の授業は化学だった。今日は実験実習をするために、実験室に移動していた。
渡り廊下を通って、階段を昇った所に広美達の教室がある。
無言で歩く一代に、
「かずぅ?何か怒ってる?」
「いや、怒ってないよ、ちょっと考えごとしてた」
「そう?それならいいんだけど~、私が何かしちゃったんだったらちゃんと言ってね」
心配になって、そう、続けた。
「ああ、だから違うって、でも、ゴメン。朝からちょっと色々あってね、広美のせいじゃないけど、少しイライラしてる、ゴメン。」
「あ、うん、私は大丈夫だよ。朝、何かあったの?」
少し考えるように、上を見上げた一代、広美を見て
「う~ん、実は・・・・・てか、ヤバくない?早く教室戻ろうよ」
少し言いかけたが、一代はごまかすように話しを変えた。多分一代の事だからいつか言ってくれるかな?と広美は思い、強くは問わなかった。
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