僕ときみの始まり

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ヴーンと小さく振動し、再びアンドロイドが起動する。 「はじめまして。僕はユウ。きみを作った。」 「…ハジメマシテ。ユウ、アリガトウ。」 「うん、うん。どういたしまして。」 にやけそうになる頬を右手で撫で下ろし、はたから見れば挙動不審なほど無意味に部屋をキョロキョロと見渡してみる。 ー自分の作ったアンドロイドが喋ってるー 感動、感激、安堵。 いろんな感情が入り交じってアドレナリンが出まくっているのが分かった。 アンドロイドは生活していくうちにいろいろ覚え学んでいく。 その能力は制作者の腕次第で、天才を生み出したりとんでもないバカが生まれたりする。 自分の作ったアンドロイドがどれくらい賢くなるか興味があった。 「えーと…きみの名前は『アキ』。人間でいう年齢は18歳。僕と同い年だ。」 「ウン、ワカッタ。」 『アキ』はポリゴンのようにカクンと頷く。
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