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「これは…一体…?」
てっきりゲームだと言うから、
ロールプレイング形式かと思っていた。
机の上からゲーム機がなくなっているところや、窓や黒板の不自然な綺麗さからここがゲームの中だということはわかるが…
來人は、机や椅子の金属の部分を指でなぞりながら、周囲を見渡した。
それにしてもよくできている。
脳が直接ゲームに繋がっているからか、触感までもが見事に再現されている。本当にゲームの中なのかも疑わしい程に。
しかし、問題がある。
ルールが全くわからないことだ。
プレイヤーはゲームマスターになにを求められているのか。
いくら考えたところで
情報が足り無さ過ぎて、何もわからないため、取り敢えず、外を散策してみる事にした。
靴箱まで行き、靴を履き替えていたが、いつものように「來人」と呼ぶ声は聞こえない。
これが、非現実だと再確認した。
「來人!」
なぜか俺を呼ぶ声が向こうから聞こえてきた。
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