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ある日、神は言った。
「このボタンを、君達に託すよ」
そのボタンを渡されて、アダムとイヴは困った。そのボタンの効果をふたりは知っていたからだ。
汚ならしくて禍々しい、そんな未来を作り出すボタンだ。心を闇で覆われた人間がはびこるそんな未来。アダムとイヴは知っていた。自分達は汚い存在だ。そんな汚い、人間という生き物を世に放ち、彼らに未来を託しても良いのだろうか。
「どうしよう…」
アダムが困り果てた顔でイヴを見つめた。イヴはただ静かに、首を横にふった。
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