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1つの可能性を信じて
私は風の神の言ったと通り
二冊の魔法の本を書いていた。
私がいなくなっても
大丈夫なように書いていく
根気がいる作業だけど止めるわけにはいかない。
二冊の本は出来上がり、一冊は長に預けた。
もう一冊は
古い習わしによって長が選んだ人間に渡す。
人間に渡す際、書いた張本人が渡す事になっていた。
そして今日、書き上がったばかりの本を人間に渡しに行く。
場所は下界の教会と呼ばれる場所
その側には一面のお花畑が広がっていた。
その場所には、本を渡す相手がもういた。
私は恥ずかしいのを圧し殺して、ポーカーフェイスを気取っていた。
「ノース=ウォルトですね」
相手はビクッとしながらも返事をした。
「は、はい!」
渡す相手を確認すると
持ってた本を何も言わずに差し出す。
「これは?……」
「グリモアです、それを持っていれば
草や花が貴方のために力を貸すでしょう」
「そうですか………」
そう言いながら差し出した本を受けとるノース、
ノースが本に触った瞬間、私は彼の手首を握った。
握った瞬間ノースはまたビクリとする。
「ノース貴方に頼みたいことがあります。
私を貴方の家に泊めてください!」
ノースはあまりの出来事に固まってしまった。
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