1つの可能性を信じて

1/5
前へ
/36ページ
次へ

1つの可能性を信じて

私は風の神の言ったと通り 二冊の魔法の本を書いていた。 私がいなくなっても 大丈夫なように書いていく 根気がいる作業だけど止めるわけにはいかない。 二冊の本は出来上がり、一冊は長に預けた。 もう一冊は 古い習わしによって長が選んだ人間に渡す。 人間に渡す際、書いた張本人が渡す事になっていた。 そして今日、書き上がったばかりの本を人間に渡しに行く。 場所は下界の教会と呼ばれる場所 その側には一面のお花畑が広がっていた。 その場所には、本を渡す相手がもういた。 私は恥ずかしいのを圧し殺して、ポーカーフェイスを気取っていた。 「ノース=ウォルトですね」 相手はビクッとしながらも返事をした。 「は、はい!」 渡す相手を確認すると 持ってた本を何も言わずに差し出す。 「これは?……」 「グリモアです、それを持っていれば 草や花が貴方のために力を貸すでしょう」 「そうですか………」 そう言いながら差し出した本を受けとるノース、 ノースが本に触った瞬間、私は彼の手首を握った。 握った瞬間ノースはまたビクリとする。 「ノース貴方に頼みたいことがあります。 私を貴方の家に泊めてください!」 ノースはあまりの出来事に固まってしまった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加