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強く言葉を発し、そのまま知鶴の腿へ飛び込む様に顔を埋め何度目かの涙を流した。
「……無理することないわ……落ち着くまで私が傍にいるし。」
「……知鶴……ありがとう。」
どこまでも優しく自分を慰める知鶴に陽子の心は少し浮揚する。
「……ねぇ、知鶴?
……今日は一緒にいてくれる?」
いくらか落ち着きを取り戻した陽子は、自分の頭を撫でる知鶴の手を取り顔を伺った。
「……あんたの頼み事を私が断ったこと、ないでしょ?」
フゥと軽く息を吐くと、掻き混ぜる様に手荒く陽子の頭を撫でた知鶴は微笑んだ。
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