崩落

13/15
前へ
/78ページ
次へ
強く言葉を発し、そのまま知鶴の腿へ飛び込む様に顔を埋め何度目かの涙を流した。 「……無理することないわ……落ち着くまで私が傍にいるし。」 「……知鶴……ありがとう。」 どこまでも優しく自分を慰める知鶴に陽子の心は少し浮揚する。 「……ねぇ、知鶴? ……今日は一緒にいてくれる?」 いくらか落ち着きを取り戻した陽子は、自分の頭を撫でる知鶴の手を取り顔を伺った。 「……あんたの頼み事を私が断ったこと、ないでしょ?」 フゥと軽く息を吐くと、掻き混ぜる様に手荒く陽子の頭を撫でた知鶴は微笑んだ。 .
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加