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開け放たれた窓から、時折入ってくる微風。
それは室内の温度を下げることなど期待できない温風だった。
部屋の熱気を逃がすために窓に向けて置かれた扇風機は動いていない。
窓を開けたのを忘れて、この部屋の主は何処かへと出かけて行ったのか?といえば、全くそんなことはない。
額と言わず、全身を汗ばませながら、ただ寝そべるその部屋の主は天井に貼られた星座を形作った蓄光プラスチック製の星のひとつを見詰めていた。
“いいかげん…何かしなくては”
……と、幾度となく思考するも……身体にそれが伝達されずにいた。
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