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すぐに笑顔を見せ、そそくさとドアを閉めると狭い玄関口で陽子を抱きしめる。
それに応えて、陽子も麻美の細いウエストに腕を回して抱きしめ返す。
そして、触れるだけの短いキス。
変わらない、いつも通り……本当に何も変わらないいつも通りのやりとり。
………だがその“いつも通り”もそこまでであった。
いつも通りであったならば、麻美は陽子にもっと抱擁を求めてくるはずなのだが、それ以上は求めてこずにリビングのソファーへと陽子を促す。
ほんの少しの違和感をこの時、無意識に感じていたのだろうか?
当然の様に会えない時間を埋め合わせる為に陽子は麻美を求めた。
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