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……だが、麻美は体調が優れないと頑なに陽子を拒んだ。
それだけであったならば、まだ…こんな事態には至らなかったかもしれない。
「……やめてって言ってるじゃない!」
一端は拒まれ、それを受け入れた陽子だったが、戯れる様に麻美のシャツの襟元に手を滑り込ませると滅多に声を荒げない彼女が叫び陽子の手を払っていた。
陽子は払われた右手を左手で庇いながら、目を見開き麻美の顔を見詰める。
「……なんでよ?
…わたし、そんなに気に障るようなこと……した…?」
少し震えた声で麻美へ問い掛ける。
「……ごめん……大きい声出して……」
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