口実は…もう、何でもいい…

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「…背中…寒い…」 そりゃそうでしょう… 毛布…抱き枕になってるし… 相変わらずですね… エアコン…効かせ過ぎなんですよ…?(笑) 体を丸めたまま 毛布ごと、もぞもぞと近づいて来てベッドの横に立っている僕の太股の辺りにスリスリと裸の背中を押しあてる… 「…っ…くっ…痛っ…」 身体を竦め紅い唇から僅に漏れた声… 頬に残る涙の跡をそっと指でなぞれば 体温の低い手のひらがふわりと重なり確かめるように僕の手のひらを撫でる… 「…ゥンン… ……………ミアン… …ユノ…ヒョ…ン…」 謝るくらいなら… 叱られるの分かってて… 何故…? 「…チャン…ミナ…?」 想っていた手のひらと違っていた事に気づき 一瞬強張る背中… 抱えていた毛布を手放し裸の身体を覆い隠した… 「…なんで… ………ユノヒョン…は…?」 「…ヒョンから連絡あって… アナタを…頼むと…僕に…」 「……………そっかぁ… ………呼び出されたんだ… ………せっかくの休みなのに………ゴメン… ………でも… …帰っていいよ… …俺… ………ヒトリでも…平気だから…」 …掠れた声… 寝起きのせいだけじゃない… ユノヒョン… どうやら加減出来なかったみたいですね…? 「…ホントに…平気ですか…?」 敢えてからかうように ウナジから背筋に指を滑らすと ピクンと背中を仰け反らせ跳ねる腰… 身体を隠していた毛布がハダケた… 「こんなに傷だらけじゃ、服も着れないんじゃないですか… まさか裸でチェックアウトするつもりですか?」 まだ新しい傷痕… ほんの少し撫でただけなのに 「んんっ…痛っ…やめて…っ…」 震える声が悔しそうに抗議する… 「ほら…やっぱり…(笑) 薬…塗りますね…?」 「………ぅん… え…薬…?」 「ハイ…」 持参した救急箱を揺らして見せる… 「…ハハ…それ…宿舎から持って来たの…?」 「ハイ…ユノヒョンに頼まれました…」 「………ヒョンにしては…気が利いてる(笑) …じゃ…オネガイ…」 素直にシーツにうつ伏せに横たわると 枕に頬を埋めた… 。
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