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「なぁ、新」
「何かな、寛樹」
「これ、何だと思う?」
下校中だった俺達の下に突然現れたのは、光輝く何か。
「俺の予想が間違ってなければ、小説とかによくある魔方陣的な何かかと」
「だよねー…」
その言葉を最後に、俺と親友―藤嶺寛樹と戸隠新は、この世界から消滅した。
暑い夏の、午後3時くらい。
甲子園で準決勝をしているくらいの日の、駄菓子屋の前での事だった。
「おや、面白そうな事、見ーつけた」
数分後、そこを通りかかった1人の学生。
彼は、今は消えてしまった魔方陣があった辺りの場所を見ながら、軽く笑い、自らの影に沈んでいった。
その一部始終を見ていたのは、一匹の黒猫だけだった。
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