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「というわけであなた方を喚んだのです」
「すいません、俺達ただの一般人なんですけど」
光に包まれた俺達は、いかにも王宮の大広間な場所の中心にいた。
まぁ、実際に行った事なんて無いから想像なんだけど。
そして、これまたいかにも王様らしい、白い髭を生やした老人が俺達の前に座っていたのだった。
左側には、甲冑を着ている騎士のような方々。
右側には、ローブを纏った大臣っぽいオーラの方々。
座っていた老人―国王によれば、この国、レストア王国は今、隣国のガルシア帝国によって侵略されているらしい。
そこで、この王様が王家に伝わる勇者召喚の儀式を行った所、俺達が現れたそうだ。
「お願いします!!我が国を救っては下さらぬか!!」
「新、俺達には出来そうもない事を言われてると考えるが」
「限りなく同感だけど、僕達が断ったらこの世界で、このままの垂れ死ぬと思うんだ」
そいつは超困る。
「あなた方が喚ばれたという事は、あなた方には勇者の素質があるという事!!」
17年間生きてきて、欠片も感じなかったんですが。
「とにかく、せめて勇者の儀だけは受けて頂けませんか!?」
すごい罪悪感と、横に立っていた騎士の方々が若干イライラしてらっしゃったので、とりあえずその勇者の儀とやらを受ける事にした俺達。
その為に、大広間を出ようとしたその時。
騎士の中の1人がピクッと動いた気がした。
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