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森の中のボロボロの家、そんなボロボロの家でも私には、唯一の拠り所
無造作に立て掛けられた鏡に写りこむ自分の姿を見る
「綺麗な紫色ね」
そう言って私の頭を撫でてくれた母、だから少しだけ私のこの紫の目が好きになった。
「彩音は母さんに似て美人に育つな」
少しどころかかなりの親バカな父の温もりは、今でも忘れない
あの頃はまだ笑えていた、だけどもう…無理だよ
辻斬りにあった
決して裕福ではない私の家を、何故か襲ったどこの誰かも知らない男たち。
私はその時家に居なくて、帰ってきて目にしたのは変わり果てた両親の姿
震える手で両親に触れたら、もう冷たかった…
あのとき泣いたのを覚えている。誰もいないのに声を押し殺して泣いていた
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