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くるりと振り返ると舞妓が首を傾げていた
「わっちのことどすか?」
「あんた以外に誰がいるんだい?」
からかうように言うと、舞妓は焦ったように
「わっちはなにもしてないどすえ?それに、わっちは今ここにきたばかり「なぁ、そんな格好して面白いのか?男のくせに」
その言葉に驚く舞妓だったが、何が面白いのか“素”で笑いだした
「なんや、きづいとったんか?」
明らかに男の声、その声に思わず苦笑いする
「あぁ、最初から気づいてた」
「まったく…あなどれんやつやな~、まぁ面白くてええけどな」
そう言って笑ったかと思ったら、私の体は宙に浮いていた
「ちょっ、放してよ!ってどこ触ってんの!!」
「ん?なんや、あんた女だったんか?」
男は私を担ぎながら屋根の上を渡っていた
「それくらいわかるでしょ!てゆうか放してよ」
頑張って男の腕をはずそうとしたがなかなかはずれない、やっぱりこれは男と女の差なんだなと、理解した
「なんや、もう暴れへんのか?」
少し貶しているように言う男の背中を睨んだが、男はヘラヘラと笑ってばっかだった
「あ~あ、今日はとことんついてないな~」
流れていく景色を見ながらため息をついた
「まだわからへんやろ?このあとなんかいいことあるかもしれへんし」
「あんたのせいで、全部きれいさっぱり無くなったわ」
その時決めた、下ろされた時絶対にこの男に蹴りを入れると
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