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そういえばと、思い出したように歩きながら、男が自己紹介してきた
「俺は山崎ススムや、お前は?」
「佐月彩音、別に覚えなくていいぞ」
欠伸をしながら適当に答えたら、ムッとした表情で見られた
「残念ながらもう俺の脳内に刻まれたで、彩音」
いたずらっぽく言う山崎に、負けず嫌いの私は
「私の脳内にも女装趣味のあるススムがもう刻まれましたよー」
ススムが女装をしている理由はなんとなく分かる、だけど今冷やかしとかないとやる場所が無いと思って、今のうちに冷やかしたら、予想外の表情で返ってきた
「こっこれは偵察ようや、俺がやりたくてやってるわけあらへんで!」
耳まで真っ赤にしたススムに少し驚いた、軽くあしらわれると思ったのに…以外にかわいいかも
「え~自分からやりたいって言ってるんでしょ~」
茶化すように言うと、またも面白い反応が返ってきた
「んなわけあるかアホ!これは仕方なく…あぁもうええわ、先に着替える!!」
ニヤニヤとしていたら、どれ程恥ずかしかったのか、タコみたいに真っ赤になってスタスタと歩いていってしまう
「ちょっ、なんで私置いていくのよ!」
その言葉に顔を見せずに私の手をとって引っ張っていくススム
一つの部屋の前に来ると
「すぐ終わるからここで待ってろ、ええか?」
どこか早口のススムに笑いながら頷くと
「だっだからこれは「ほら早く着替えてきてよ、待ってるんだから」
ススムの言葉を遮って言うと、しぶしぶ中に入っていくススム
「ヤバイ…久しぶりに心から笑えた」
両親が死んでから、もう笑えないと思ってたのに、ススムといたらすんなりと笑えた
「行くで彩音」
「えっ?早!」
「お前が待たせんなゆうたからやろ」
先程と同じように手を引っ張られながら連れていかれた
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