3 いらっしゃいませ♪

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「あなたたちに、弟か妹が出来るのよ」 あれは…忘れもしない、10歳のお正月の話だ。 共に医者をしている両親は、それぞれに忙しくて、家族全員集合できるお正月なんてのは滅多に無かった松代家。 その年は…きっと母なりに体調を考えたのであろう、久しぶりにみんなで揃ってお正月を迎えることが出来て、2歳下の弟…雅也と2人で、とても喜んだ事を覚えている。 さらに、兄弟が増えるとあっては尚更だ。 思いもかけぬ嬉しいビックニュースに、雅也と一緒に盛り上がった。 「にーちゃん♪にーちゃんは、弟と妹どっちがいい?」 「うーん…。僕は弟かなぁ」 「オレも弟がいい!!いっぱい遊んであげるんだぁ♪…女は…わかんねぇんだもん」 「なんだそりゃ!?」 「ねぇ、おかーさん!!弟にして?決めてきてよ!!」 「さぁ…どっちかしらね。どちらにしても…お兄ちゃん達、よろしく頼むわね」 「うん」 「まかせとけって!!」 小さな胸を叩いて、それを了承した俺達兄弟は、日々大きくなってくる母親のお腹を撫でては、中にいる『弟』に優しく語りかけ続けた。 そして……。 運命の日は、賑やかに訪れた。 、
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