詩集 FREE

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手前/kaname もう何が起こってもくだらないことにしか思えないよ 君が見せてくれた奇跡にはそれだけの価値があったから ここからならあのときの君に会うことができるかな 冷たい川を渡っていけるのなら…… 手に持ってたオールはまるでボクを後押しするようで 手の中にありあまるものは持ちたくないから ボクはオールを置いて舟に乗ったんだ ここからならあのときの君に会うことができるかな 冷たい川さえ越えてしまえば…… 舟は頑として動かないから もしもあの時出会えたことが君の作った奇跡なら 今度はボクが君に倣うように頑張るから ここからならあのときの君に会うことができるかな 冷たい川すらなくなれば…… 舟は相変わらず川の上だから ふと目を覚ましたボクが見たのは 何も代わり映えしない現実だった fin
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