魔王城アフターPart1

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しかし、当時のゼクス様は予想の斜め上を行く魔法の才能と、そして教育を受けていらっしゃいましたので、何というか、大人っぽかったというか。 その本をお見せしたところーー 「はーん。ワロスワロス」 なんて言って床に叩きつけてしまいました。ええ、今の私のように、ペシンと。 それ以来、特に使われることもなくゼクス様の本棚にしまわれることなったわけです。 けれども! けれども!!(二回目) それが何の因果か大人となったゼクス様に読まれることになり、そして異世界へと渡る手助けをしたのです。 ああ、私のあの日の労力は無駄にはならなかった。 更なる労力を使う結果と相成ってしまいましたけどね! あの日の私に私は物申したい。「そんなものは作るな!」と。 「暇だし、ゼクス様へちょっと嫌がらせでもしようかな。グヘヘー」だなんて、そんな馬鹿なことに思いを馳せるのではないと。 まあ、あの時の私はまだ若かったですしね。ほんの666歳です。使用が無いといえば使用がありませんが。 でも……くっ、あの時の私が憎らしいです。 閑話休題。 とは言え、この本から感じる残留魔力は間違いなくゼクス様のモノであるから、ゼクス様がこの本を手にとったのは確実なこと。 後はこの本の内容を確認し、どうやってゼクス様が異世界へと渡る魔法を生み出したのかを解明すれば全て解決。 そう、全て解決、解決なのですよ! くくく……我ながらナイスなアイデアです。 私の灰色の脳細胞が雄叫びを上げてますよ。 ふふーん、ゼクス様との再会(拉致)の日もそう遠くはありませんね。 ……っと、そうこうしているうちに見つけましたよ! 異世界転移の魔法陣! もう決定です、確実です、ゼクス様はこれを使ったのです! 後はこれとゼクス様の部屋を念入りに調べれば魔法は完成します。 ははは! 私の勝ちですよ、ゼクス様ァァ! ーー何て思ってた時期が私にもあったのです。 結果。 異世界へと渡る魔法は完成しませんでした。 ゼクス様風に言うのならばーー 「ジジ終了のお知らせm9(^Д^)プギャーww」 と言った感じでしょう。 ……ゼクス様の秘蔵フィギュアを消し炭にしてもいいでしょうか?
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