何処に行っても私は迷子

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「要するに、私が元の世界に戻れるのは明日の正午で、それと同時に記憶を消すっていう話ですね」 お茶を飲みながら淡々と話す千明、浦原は困ったような顔をしながら 「もっとオブラートに包んで欲しいもんスね、、、これはアナタのためなんスよ」 「科学者は率直な解答だけでいいんですよ。それより一つ我が侭言っていいですか?」 コトッと湯飲みを置き真剣な眼で見てくる千明に、浦原は微笑みながら 「アタシに出来ることならなんなりと」 「、、、どうせ消える記憶なら、此処のこともっと知りたいんですよ、、だから少しの間でいいからこの世界を探検させてもらえないでしょうか」 少し切なげの瞳をした千明、浦原はポンッと千明の頭を撫でると 「アタシが案内してあげますよ」 そう言いニンマリと笑った てくてくと歩きながらきょろきょろと辺りを見渡す千明、それを半歩後ろから楽しそうに見つめている浦原 千明はまるで子供みたいに周りの景色に興味津々で、目がキラキラしていた 「そんなに珍しいことッスか~?」 庭に出て蝶々を追いかけて遊んでいた千明に、間延びした声を掛けた 「いいえ、当たり前のことですよ。ただ私にとっては興味深くてたまらない」 「興味深い、、ですか?」 「はい!私のいた世界とこの世界、違う世界なのに木があって花があって風が吹いている何よりも、、人の優しさがある。私には楽しくて嬉しくてたまらないんですよ」 大人のような容姿に似合わず千明は子供のように笑う、だがやはり言っている事は大人で浦原はそんな千明に興味を持った 「空からこの世界をみてみまスか?」 上を指差しながらニンマリ言うと、千明は一瞬キョトンとして 「是非!!」
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