何処に行っても私は迷子

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「それにしても不思議なやつやったなぁ~」浦原が帰ってくるのを待つことになった三人は、自然に千明の話になった 「そうじゃのぅ、何に対しても子供のように興味津々で見てるこっちが楽しかったのう」 少し懐かしむように言う夜一、だがひよ里は正反対で 「千明は何処か浦原に似よって、なんかイラつくんや」 「そないなことゆうたって結構楽しんどったで、ひよ里」 しゃがみ込み頬杖つきながらいう平子に再びひよ里の蹴りが飛んできた 「まぁまぁ二人とも、あっ喜助が帰ってきたようじゃぞ」 閉まっていた穿堺門の扉が開く、そこに居たのは浦原と 「皆さんこんにちは、私また迷子みたいです」 現世に帰ったはずの千明だった 「「「えっ?」」」「で、どういうことなんじゃ喜助」 あの後、兎に角元柳斎に話を通さないといけないので、浦原と千明で向かったもののすぐに浦原は追い出され今は元柳斎と二人で千明は話していた。浦原はというと、先ほどのメンバーで一番隊隊舎の前に居座っていた 「それが、、現世への扉が開かなかったんスよ」 「中は通れたのに扉が開かなかったっちゅうことか?」 「そうッス、何かにはじかれてるような感覚で」 顎に手をあて考えるようにする浦原、ふとひよ里が 「その間千明は何してたんや?」 その言葉に少しがっくりと肩を落としながら、情けない声で 「地獄蝶と楽しそうに遊んでたッスよ」 安易に想像できる千明のその姿、 「千明らしいな」 「緊張感なさすぎなだけや」 「おっ帰って来たようやで」 真剣な顔で何かを考えていた千明だが、四人が見えたとたん考えるのを止めてニッコリと笑った
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