何処に行っても私は迷子

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「あれま、、ここは何処かしら?」 一面が真っ暗な世界、だが千明はうっすらと笑うほどの余裕をみせていた、軽い足取りで歩き出す 「私夢を見た憶えはないんだけどね、、、」 自嘲的に笑い無意識に白衣のポケットに手を突っ込む、そこに有るのは藍がくれた飴が一つあるだけ、まるで今の千明を映してるかのような気分になる 「感覚はある、自分の姿は見える、、ただ周りには何もないか。」 千明は考えながらまっすぐに歩いて行く、行くあてなどない、、いや無いからこそ千明はまっすぐ歩いていた、そんな千明の横を黒い物体が通り過ぎる、千明は眉を顰めながらその物体を見た 「黒い蝶々?」 蝶々はジッと千明を見ているようで、一定の場所に留まり続けていた、千明が手を伸ばすと すっと人差し指に止まり千明も不思議そうに蝶々を眺めた 「不思議ね、、私あなたの気持ちが分かるみたい」 千明は優しく微笑むと、蝶々を指に乗せたまま再び歩き出す 「こっちであってたのね」 千明は楽しげに歩き出すと、蝶々は千明と並ぶように飛び始めた 暫くすると何の変哲も無い所に見えない壁が存在したところに着いた、千明がその壁に触れると、壁は振動したかのように波をうった 「ここのようね、さっ行きますか」 蝶々が肩に止まるのを確認して千明はその壁のようなものを、軽く押すとすり抜けるように新しい場所に出た
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