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「お、おい!水の勢いがましてねぇか!?」
確かに目に見えて水の湧く勢いが増してきている。
そしてみるみると地が水を吐き出し始めたかと思うと、遂には見上げる程の水柱ができた。
「こ、こりゃあ神さんを怒らせっちまったんじゃねぇか大将…」
ヤジロウが先程とはうって変わって、怯えている。
老人はニヤリとした。そして男達に聞こえるように叫ぶ。
「元から神さんなんていないのさ、こりゃあ昔人の大仕掛けよ!大したものじゃて!この調子じゃあじきに山は崩れる!!」
もはや激しく噴き出す水が男達をずぶ濡れにしてしまっている。
「そして…」
老人は続けた。
「地下から宝の詰まった洞穴が現れるのよ!ひゃっははは!!」
老人の高笑いと共に地面が揺れだした。
ピシャッと地面に亀裂が入る。
「ものども、さっさと逃げんかい!!死ぬるぞ!」
誰かの叫びで、男達は荷物を放り出すと風の如く散っていった。
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