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「……」
流れていく窓の外の風景も、延々殺伐としている。
乗せられた薄汚いグレーの護送車はえらく揺れた。
郊外の刑務所に向かって悪路を走っているせいもあるだろうけれど、こりゃ絶対ショックが死んでる……。
運転席側からは何も聞こえてこないし、言葉すら掛けられることもなかった。……それでも時々、覗き窓から視線を感じはする。
もどかしさでため息をついた途端、下からかち上げられるような衝撃を受けて、ベンチシートから尻が浮いた。
「うわっ」
よろけた弾みで、左手首に手錠が冷たく食い込む。
手錠は窓にはめられた格子と僕の手にかけられていて、車が揺れて体が動く度に手首に痛みが走る――僕はぎりっと奥歯を食いしばった。
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