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気分が悪い。
頭痛は出発前より若干よくなっていたものの、ここまで延々と揺さぶられていては、何はなくともいずれ乗り物酔いに追いやられる。
「……っ」
急に胃からこみ上げてきたガスが口からげえと飛び出した。僅かに遅れて口を押さえる。
吐くかと思った。
……いや、時間の問題だ。
このままじゃいずれ――。
絶望的な気分になった時、一度がたんと大きく揺れた後、道路が平坦になったのか車は全く揺れなくなった。
「おい」
覗き窓が開き、敵意を含む無愛想な目がぎろりと僕を見た。
そっと息を吐く僕に、助手席の彼はぶっきらぼうに告げる。
「到着だ」
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