†出逢い†

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自分と同じように丘に座り込み、こちらを見ていた。 「‥‥」 状況は把握できていないが、この目の前の男が自分を助けたのか。 それしか、考えられない。 「救ってやったのに礼もなしか…」 低い声。 魅夜美に言っているようだ。 魅夜美は答えず、髪の毛の隙間から男を睨んだ。 男も魅夜美が威嚇しているのを理解したのか、同じように強く睨みつけてきた。 「ーー死ぬなら、生きたくても生きれない奴らに、その健康な体を提供してからにしろ」 男は素早く立ち上がり、ブッと唾を吐いて魅夜美を見下ろした。 「‥‥」 魅夜美も震える体に力を込めて、すっと立ち上がる。 「ははっ…震えてるじゃないか」 男は馬鹿にしたように、鼻で笑った。 魅夜美は顔にかかった髪の毛を拭い、正面から男にガンを飛ばした。 「のうのうと…」 小さな声から大声になっていく。 「のうのうと生きている人達に苦しめられて…」 魅夜美はぎゅっと拳に力を込める。 「ーー死ぬ程苦しめられているのに、どうして、そんな人達にこの大事な体を渡さなくてはならないの!?」 「‥‥」 男が言葉を失った、その一瞬に、 魅夜美は男の肩に思いきりぶち当たって、走り去っていった。
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