13人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
ーーーーー黒い悪魔の襲撃から、
4ヶ月の月日が流れた。
あれからは1度も、黒い悪魔は現れていない。
魅夜美たちの働く繁華街は、4ヶ月経った今でも、大きな爪跡を残しているが、それでも街はいつもの活気を取り戻していた。
蝙蝠の化け物たちが、
街を蝕むように火をつけたが、
意外に損傷は最小限に食い止めることができていた。
噂の年老いた選抜国防隊が、
戦いはしないものの、街の者たちを避難誘導したり、消化活動に懸命に働いたおかげでもある。
ジリジリジリ…
ちょうど真夏に突入したところで、
繁華街はますます人で賑わっていた。
「ごめん下さい‥」
魅夜美は日がまだ高い時間に、
病院に来ていた。
「おやおや‥お迎えが来ましたね!
どうぞ、お入り」
白い髭を生やした老人が、
魅夜美の姿を見て、建物内に案内する。
ギィ…
扉を開けるとそこには…
「魅夜美姉さんーー!!」
明るい笑顔を見せる幸がいた。
「幸‥お迎えに参りました」
「そんな‥!
まさか私のために、魅夜美姉さんがこんなところにまで、わざわざいらしてくれるだなんて‥‥!!!!」
魅夜美は静かに微笑み、
横に立っていた老人に頭を深く下げた。
「先生、長い間、幸を看ていただいて本当に有難うございました」
「いやいや、仕事ですからね」
老人の医者は満面の笑みで、
二人を病院の外に見送った。
最初のコメントを投稿しよう!