13人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
二人は病院を出て、
4ヶ月ぶりに顔を見合わせた。
「元気になって本当に良かった‥」
「魅夜美姉さん、そんなに心配なさらないで下さい!私は不死身ですから!」
蝙蝠の化け物に背中から刺されたが、運良く脇腹の部分だったので致命傷には至らなかったのだ。
「でも、あまり無理はなさらないようにね…」
魅夜美の心配をよそに、
幸はテンションが上がり、魅夜美の手を引いて歩き始めた。
「そうだ!
せっかくなので、寄り道しましょう!
そこの角に、プリンの美味しいお店があるのです!」
「まぁ…」
幸は遠慮なく、魅夜美をつれ回した。
小さなレストランや、
雑貨屋さん、
そして、路面に出ている屋台にも顔を覗かせた。
「へい、らっしゃい!
お嬢ちゃん達、色々見てってよっ!」
屋台の若い兄さんが、大きな声をかける。
「あ~!見てくださいよ!
これ、とてもステキだと思いませんか!?」
幸は、小物をいっぱいに広げられたテーブルの中から、キラキラと光る物を見つけた。
「これは‥?」
「これはブローチっていうんだよ!
嬢ちゃん、知らないの!?」
言われて、魅夜美は薔薇の形をしたブローチを手に取った。
「知りませんでした…」
「これはね!後ろに留め金が付いてるから、好きな場所につけられるんだよ!」
「はぁ…なるほど!
魅夜美姉さんには、これがお似合いです!」
幸は孔雀の形をしたブローチを、魅夜美の胸元にあててみた。
魅夜美も同じように、桜の形をしたブローチを幸の胸元にあててみる。
「幸はこれね」
二人は始終笑顔で話した。
魅夜美たちのお店は、和風の物が多いが、洋風の物は、外の世界にはいくらだって転がっていた。
400年前に、日本国が勝利して以来、
日本国民だらけだが、外国の文化は幾つも残されている。
だから、服装も皆がばらばらであった。
着物を着るものもいれば、
チャイナ服や、洋服や、スーツ、ドレスなど様々である。
最初のコメントを投稿しよう!