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「では、あれはなんの為の会員費なんですか!?余分に払っているでしょうが!」
「申し訳ございません…!!
しかし、あちらのお客様も同じようにお支払い頂いていまして…
是非、別の日のご予約を‥」
「今日でなければダメだ!
もう我慢ができないんですよ!!」
150センチの小柄な店主に、二階堂は今にも暴力しそうな勢いだ。
しかし、負けずに店主はニコニコと笑っている。
「ーーーもう、結構です!!!!
魅夜美とは、今から出かけますから!」
小さな庭で、大きな口論の声。
近くを通りかかる者が、チラッとだけ覗いたりしている。
二階堂が魅夜美の手を取ろうとした時に、店主は横槍を入れ、それを阻んだ。
そして、魅夜美と幸にだけわかるように小さく合図する。
『中に入れ』と。
「二階堂さま!
大変、申しにくいのですが、それはこのお店では御法度なんです…!
店の娘は、店の外にはお連れしないで頂きたいのです!」
二階堂が店主に気を取られているうちに、魅夜美は軽く会釈をして宿場の中に入っていった。
「‥‥‥」
幸もすぐに着いていく。
「プライベートではありませんか!?
魅夜美とは、客と従業員としてではなく、プライベートで会うのです!
プライベートには、口を挟まないでいただけますか!」
どんどんヒートアップしていく二階堂。
魅夜美と幸は、玄関の扉を閉め姿は隠したが、その会話が聞こえる場所に待機する。
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