1.看護師になる!

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1.看護師になる!

「も~う!そんなに心配しなくても大丈夫だって!」 隣に座っていた千尋が私が必死によんでいる本を取り上げた。 「あっ!…ちょっと!」 「え~、なになに。『ナースのための看護技術』かぁ。こんなもの読んじゃって本当は頭に全部入ってるんでしょう?」 「ま、まぁね!でも初めての出勤だから緊張しちゃって…。」 「私も一緒だよ!でも、杏奈だったら大丈夫だよ。学生の時は成績一番で学校の先生からの評判も良かったじゃない。」 「そんなこと言って、千尋も頭良かったじゃない!」 「はぁ―!?一番の人に言われたくないですよ。私はいっつも杏奈の後ろでしたぁ―!」 意地を張って言った千尋に私は思わず笑ってしまった。 「本当、千尋と同じ病院で良かったよ…。」 「私も杏奈と一緒の病院で良かった!」 今、私は大学病院行きのバスに乗っている。 バスは満員で春だというのに暑さを感じさせていた。 何で病院に向かっているか…? それは私が今日から大学病院に勤めることになった新人ナースだから!
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