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「杏奈っ!こっち!」
少し大人目なレストランに入ると、さっそく千尋と直也君が手を振ってくれた。
仕事の後だけど、2人の顔を見たら疲れも吹っ飛ぶ。
2人を正面にバッグを下ろし席についた。
「お疲れ。」
直也君は私に氷入れの水を差し出した。
カランと氷の心地よい音が耳に入り、それを受け取る。
「ありがとう。今日も仕事楽しかった!」
喉がつ~っと冷たくなる。
「最近優はどう?俺、連絡してないんだよな。」
私は鞄から指輪を取り出して指にはめた。
窓から入ってきた真夏の光が指輪をキラキラ輝かせている。
「昨日、電話で話したけど忙しそうだった。今、救急部にいるんだって。」
「救急部っ!?そりゃ忙しいよ。あんま寝てないんじゃない?」
千尋は少し心配そうな顔をした。
「そだね。でも、先生がやることに私は反対しないよ。
まだ時間がかかるとしても私はずっと先生を待ってる。」
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