君に会うため。~優ver.~

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ひと仕事終えて医局に戻った。 自分の席につくと、同期の長友が呆れた顔をして近づいてきた。 「お前、何で何で松田さんの告白断ったんだよ!?」 松田恵里さん。 同じ救急部に勤めている看護師。 看護師で一番可愛いと医師の中でも噂になっていた。 「何でって言われても…。」 「あぁ~恵里ちゃん可哀想。あれは絶対泣いてたぞ!?」 長友は深いため息をついて頭を抱え込んだ。 「長友、高橋には彼女がいるんだよ。」 「医局長…!!」 急に医局長がコーヒーを持ってやってきた。 「結婚の約束をしている大事な彼女がいるんだとか。 そうだよな、高橋?」 「…はい。」 医局長はクルクルとコーヒーをかき混ぜる。 いつもは面白い医局長だけど、今日は何だか様子が違う。 「もういいんじゃないかね。彼女のもとに戻っても…。」
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