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宿鴉の寂声
紅霞に響く
直ぐに迎えがくるよ、と
弱道狂いを残影に
娼婦の嬌声
闇に懸想ず
貴方だけが愛しい方、と
騙し口さえ残英に
雀斑を両手で覆い
目をつむる一刹那の安堵が
抱えた膝に顔を埋め
息を吐く弱卒の防衛が
私を愛し
貴方を突き放す
握り締めた夜の帳に手を掛けて
蝶の標本に
「おやすみなさい」
どうしても絶えない独り言は
眠りへの逃避で口枷をしましょう
堕ちる最中も雀盲が疼く
逃れられない束縛
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