~第2話~

11/19
前へ
/40ページ
次へ
そーっと声のするほうに近づき、顔が見えるところまで顔を出す。 「大丈夫。君は絶対僕を忘れるくらいの恋ができるから。ほら、もう行きなさい。昼休みが終わってしまいますよ。」 「…はい。ありがとうございました。」 女の子は笑顔で階段を下りていく。 意外に安藤先生っていい人なのかも。 そう思った瞬間、そんな思いはすぐに飛んでいった。 今まで柔らかい笑顔だった先生は、女の子が去っていくその後ろ姿を見つめながら無表情になり、一言呟いた。 「人は見た目で判断しちゃいけない。」 その冷たい表情と言葉に、わたしは安藤先生が去っていった後もしばらく動けないでいた----。 。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加