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そーっと声のするほうに近づき、顔が見えるところまで顔を出す。
「大丈夫。君は絶対僕を忘れるくらいの恋ができるから。ほら、もう行きなさい。昼休みが終わってしまいますよ。」
「…はい。ありがとうございました。」
女の子は笑顔で階段を下りていく。
意外に安藤先生っていい人なのかも。
そう思った瞬間、そんな思いはすぐに飛んでいった。
今まで柔らかい笑顔だった先生は、女の子が去っていくその後ろ姿を見つめながら無表情になり、一言呟いた。
「人は見た目で判断しちゃいけない。」
その冷たい表情と言葉に、わたしは安藤先生が去っていった後もしばらく動けないでいた----。
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