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幸兄こと鈴村幸裕(すずむらゆきひろ)は、わたしの実の兄。そして、史上最強と言っていいほどのシスコン。
その過剰さにわたしはウンザリしていた。
わたしが少し転んだくらいで病院に連れて行こうとしたり、ちょっと出かけるだけなのに ｢どこに行くんだ｣ とか ｢一人なのか｣とかホントにしつこくて…。
でも、わたしのためを思って言ってくれていることは十分わかっていた。
｢心配するだろ。高校生になったらさすがに一人くらい友達作ると思ってたんだけどな…。｣
まるで自分が辛いかのような顔をする
わたしはこんな顔をさせたいわけじゃない。
｢わたしは友達なんていなくていいの。心配しなくても大丈夫だから。｣
幸兄には理解して欲しかった。
口に出すとちょっとだけスッキリした気持ちになった。
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