光羽 feat. ルジェ 様

1/1
前へ
/50ページ
次へ

光羽 feat. ルジェ 様

無垢の裸足で 駆けていたころは 鳥にもなれると信じていた 前後の闇には目もくれず ただ 光る星を追いかけて 周回遅れで走る私の 見えない羽根がはらはらと 音を立てて落ちる様を 指さしながら笑う傍観者 涙を見せるのは甘えの証 作り笑いは馬鹿の兆し 腐敗を始めた心に巣食う虫 言葉も黒く侵していく 右に習えの蟻の行列 落ちた染みに逃げ惑う 右往左往ぶつかった後 帰る道さえ見失う 星を追う子らが 横を駆け抜ける 足元の闇に怯え 動けないのは 私だけなのだろうか 無邪気な笑顔は 残酷だ 安易な脳を抱えたまま 私は大人になり過ぎた 強欲に手を延ばした結果 星は派手に燃え尽きた 舞い散った羽根だけが 光を宿す .
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加