ふたりのくに

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  (,,゚Д゚)「じゃあ行ってくるから、俺が行ったらちゃんと鍵閉めておけよ。あと、出掛ける時も鍵閉め忘れるなよ」  本当に心配性なんだから、そんな声が後ろから聞こえた。  心配性だと言うが、彼女は忘れっぽいというか、肝心なところが抜けている。  出掛ける時に鍵を閉め忘れるのは日常茶飯事、ひどい時は鍵を何処にやったか忘れ、結局面倒くさくなって鍵も閉めず出掛けていく。  危ないだろう、と何度も叱ったのだが、その効果はあまり無いようで、いっそ玄関の鍵をオートロックに変えてしまおうか、本気で考えたほどだ。   (*゚ー゚)「今日はギコくんのだいすきなオムライス作って待ってるからね」  此方の考えていることなどお構い無しに、しぃはいってらっしゃい、と俺に鞄を手渡す。 (,,゚Д゚)「おう、行ってきます」  同棲を始めて、半年が経とうとしているが、どうしても気恥ずかしさが抜けず、彼女の顔を見てこの台詞を言ったことがない。  きっと今振り返れば、くしゃっとしたあの笑顔がいつもと変わらず後ろにあるのだろう。    そんなことを考えながら、俺はいつものように足早に家を出た。    
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