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ある本屋に1人の少年が自動ドアを介して入ってきた。
小さい本屋だったが、人もまばらに居てそれなりに繁盛しているそのお店の店主は、レジのところで椅子に座りながら新聞を読んでいた意識を入り口に向ける。
別に変わった客で無いことを確認した彼はまた新聞に意識を向けた。
そんな店主を一瞥した少年は、本棚を眺めながら本屋を歩き回る。
小さな本屋のためか、1分もすると少年はある一角で歩みを止めてジッとその本棚を、正確にはある一冊の本を凝視していた。
彼の見つめる先にある一冊の本は、小さい子供が読むような絵本。
誰の目にも止まるように、表紙を客の方に向けて存在感を表している。
少年は手を伸ばして、その本を手に持つ。
そして片手で支え、もう片方の手で表紙をなぞると、捲り始めた。
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