第一章

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新しく振り分けられた仮の教室に1人遅れて戻るとやはりクラスではパートナーの話で持ちきりで騒がしかった。 私も全く関心がない訳ではない。寧ろ私もあの輪に混ざりたいとムンムンしている。だがあの輪に入るのは難しいだろうな。  私のファミリーネームであるスタンローガンは王族に仕える事が約束された家柄だ。そのせいか私は生徒から恐れられている。故に友達が少ない。 別に取って喰いやしないんだがな……。 友達が少ない原因としてもう一つ挙げることが出来る。これは最近自覚したのだが、私はプライド高いと自覚している。 将来騎士として約束された身分として甘ったれた行動は謹まなければならないし、私自身の性格として女々しいことが嫌いだ。だから周りからは一匹狼とか思われているみたいたが実際はもっと構って欲しいのだ。 プライドが邪魔して言わないけど。 少し自分の性格に憂鬱な気持ちになり何となく、空を眺めていると数少ない友人が話かけてきた。 「どーしたフィリア?空なんか眺めて?パートナーが気になるか?」 彼は私の友人兼生徒会副会長のエドワード・ローレンス、通称エドだ。エドは人当たりが良くその屈託ない笑顔で女子に大人気で男子からも信頼の厚い完璧人間だ。羨ましい限りだ。  「いや、そうじゃない………いや、そうかもしれない。」 フィリアの適当ともとれる答えに苦笑いするエド。 「曖昧だな……。フィリアは誰かパートナーになりたい人でもいるのか?」 
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