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「じゃあ、今から「選択の紙」を配る。俺の合図があるまで魔力を流すなよ。」
教師が配り始めると盛り上がる教室。どいつもこいつもウズウズしているのが後ろから分かる。
私にも配られてきた。5㎝画の白い紙。ただの紙切れに今後二年間の人生が決まるとは……。人間哀れ也。人のモノノアワレに浸っていると教師が立ち上がった。
「よーし、全員に行き届いたな。学年全体で一斉に魔力を流すからな少し待てよ。」
クラス中が息を呑み時間を待つ。
フィリアは前の女の子の密編みの数を数えだす。
そして、教師のカウントダウンが始まった。
「……3、2、1、よし!!!」
クラス全員が一斉に魔力を流し始めた。
おっと、若干タイミング遅れた。
しかし、数秒で「選択の紙」が光始めた。
余りの眩しさに思わず目を閉じてしまう。こういうことは、前もって言って頂きたいものだ。次に目を開くと名前が浮き上がっていた。
「ユタ」
ゑ?
名前だけか?ファミリーネームはどこいった?玄関に置き忘れたか?うっかりさんめ。
さっきから自分のテンションの異常さを反省し深呼吸。
スーハー
さて、誰だこいつ?
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