three.

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 悲劇が起きた。  いや、悲劇ではない。  世界を終わらせる、天変地異だった。  大地震がおき、大地はひび割れ人々は死に、大洪水がおき、大嵐が続いた。  人々は混沌に溺れ、たくさんたくさん私に答えを求めた。  だけど私は神の子ではなかった。  歳をとらないだけの、ただの人の子だった。 「あなたが愛する人を、死ぬほど愛しなさい。世界はきっと終わる」  どんな人間にも同じ答えを渡した。絶望したものもいれば、激昂して襲い掛かってきたものもいる。  けれど私は繰り返した。悔いなく愛せと、願って。  すぐそこまで、津波が迫っているという情報がはいった。たくさんの人が、愛する家族のもとへ、水を恐れて高い山々へと移り、城はもぬけの殻に近かった。 ほら、私を愛してくれる人など誰もいなかった。悲しいはずの状況が、おかしく思えてしょうがない。
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