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世の中は理不尽だ。
理不尽な事で埋め尽くされている。
正義が必ず勝つわけじゃない。
だいたいは正しい人間が馬鹿を見る。
世の中は理不尽だ。
1人より多勢が勝つ。
権力がある者が勝つ。
真っ当な人間程馬鹿を見る……─。
悪が支配する世界は、弱肉強食だ。
テレビのヒーローなんか居やしない
ドン底の主人公が笑うドラマなんて茶番だ
現実世界は理不尽で埋め尽くされている──。
──
────
俺には小指がない
俺には片目がない
俺には片耳がない
俺には心がない
理不尽が全てを奪った。
「飛び降りないの?」
仁の目から涙が一筋流れた。
「何で泣くの?
泣いたって叫んだって“助けて”って言ったって誰も手を差し伸べてなんてくれなかった。だから俺もお前が泣いたって助けてなんてあげないよ?」
仁は涙をポロポロと流しながら顔をグシャグシャにして“ゴメン!本当に…ゴメン”と機械のように繰り返した。
──そして、ゆっくり立ち上がるとフェンスへと歩いていく
「…かず。
──…全ての罪は俺が被る…。
だから────。」
、
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